目次
前回の記事でJava版のPaperMCサーバーを月0円で立てました。
「Switchしか持ってない友達も入れたいんだけど」
Java版と統合版(Bedrock。Switch/スマホ/PS5/Xboxはこれ)は別のゲームで、本来は互いのサーバーに入れません。それを繋ぐのが Geyser です。
Switch・PS5・Xboxの方へ 本記事で扱うのはGeyserの構築までです。Windows・スマホなどは本記事の手順だけで接続できますが、Switch・PS5・Xboxから外部サーバーへ接続するにはDNS設定が別途必要です。接続手順はSwitch接続編で解説しています(PS5・Xboxも同じDNS方式です)。
結論を先に言うと——
- Geyserで統合版の友達をJavaサーバーに招待することはできる(移動・建築・戦闘・チャットは問題なし)
- ただし統合版プレイヤーは「Java版のルールで動く世界のゲスト」になる。統合版流のテクニックや装置は通用しない
- メンバーが統合版だけなら、Geyserより統合版専用サーバー(BDS)の方が幸せ
この記事で得られること
- Geyser + Floodgate の導入手順(プラグイン2個・10分)
- 統合版プレイヤーのホワイトリスト登録の罠(ピリオド問題)と解決手順
- 検証結果: クロスプレイで「動くもの/動かないもの」の実例
- あなたのグループはGeyserとBDSどちらを選ぶべきかの判断表
仕組み: Geyserは「通訳」、Floodgateは「入館証の発行係」
- Geyser: 統合版の通信プロトコルをJava版のそれにリアルタイム翻訳するプロキシ。サーバーに統合版用の入口(UDP 19132)を増築する
- Floodgate: 統合版プレイヤーが「Java版のアカウントを持っていなくても」入れるようにする認証プラグイン
どちらもGeyserMCチームが開発する無料のコミュニティ製ソフトです。
Step 1. プラグイン導入(PaperMCサーバーに)
cd ~/minecraft/plugins
wget -O Geyser-Spigot.jar "https://download.geysermc.org/v2/projects/geyser/versions/latest/builds/latest/downloads/spigot"
wget -O floodgate-spigot.jar "https://download.geysermc.org/v2/projects/floodgate/versions/latest/builds/latest/downloads/spigot"
sudo systemctl restart minecraft
起動ログに Started Geyser on UDP port 19132 が出れば読み込み成功です。

Step 2. auth-type を floodgate に変更(忘れると統合版が入れない)
Geyserの設定はデフォルトで auth-type: online(=Java版アカウント必須)になっています。Floodgate認証に切り替えます:
sed -i 's/auth-type: online/auth-type: floodgate/' ~/minecraft/plugins/Geyser-Spigot/config.yml
sudo systemctl restart minecraft
grep "auth-type:" ~/minecraft/plugins/Geyser-Spigot/config.yml # floodgateになったか確認

Step 3. ポート開放(UDP 19132・2層)
Java版の25565はTCPでしたが、統合版はUDPです。ここを間違えると繋がりません。
クラウド側(OCIセキュリティリスト): イングレス追加 0.0.0.0/0 / UDP / 19132
OS側:
sudo iptables -I INPUT 1 -p udp --dport 19132 -j ACCEPT
sudo netfilter-persistent save

Step 4. Windows・スマホから接続 → ホワイトリストの罠
統合版クライアント(スマホ/Win版Bedrock)→ 遊ぶ → サーバー → サーバーを追加:
- アドレス: サーバーのIP / ポート:
19132
Switch・PS5・Xbox版は標準の画面から外部サーバーを直接追加できません。接続にはDNS設定(Switch接続編)が必要です。

接続すると…… You are not whitelisted on this server! で弾かれます。

罠: 統合版プレイヤーの名前は「ピリオド付き」
Floodgate経由のプレイヤーは、Java世界では .ゲーマータグ(頭にピリオド)という名前になります。ではコンソールで whitelist add .ゲーマータグ すればいい……のですが、実録ではこうなりました:
> whitelist add username
That player does not exist ← ピリオド無し: Java版の名簿を探しに行って存在しない
> whitelist add .username
That player does not exist ← ピリオド付きでも、初回はプロファイル未登録で失敗することがある

なぜか: whitelist add は名前をプレイヤー情報に解決する必要があり、Java名はMojangのオンライン名簿で引けますが、ピリオド付きの統合版名はサーバーのローカルキャッシュにしか存在しません。そしてキャッシュに載るのは接続実績ができてから——鶏と卵です。
解決手順(どちらか):
- 一度接続を試みて弾かれた後、サーバーを再起動してから
whitelist add .ゲーマータグ→ 通るかもしれない - それでもダメなら一時開放方式:(私はこちらを使用)
whitelist off ← 一時的に許可制を解除 (統合版から接続 → 入れたら退出してOK) whitelist add .ゲーマータグ whitelist on ← 必ず戻す
登録できたら再接続 → 小さなリソースパック(表示補正用・無害)のダウンロード確認が出て → ワールドインです。

検証
Java版クライアントと統合版クライアントを同時に起動して同じワールドに入れました

✅ 問題なく動くもの
- 移動・採掘・建築・戦闘・チャット
- Java勢と統合版勢がお互いを視認・協力プレイ
- ワールドの共有
⚠️ 統合版側で起きること(未検証)
- 世界はJava版のルールで動く。
- レッドストーンの仕様はJava版準拠(ピストンの挙動・クアジコネクティビティ等)
- 統合版で覚えた装置・テクニックは動かないものがある(統合版限定の仕様に依存するもの、例: 統合版式のトライデントMOB処理層や「動くかまど」系は再現不可)
- 一部の表示・アニメーションにズレやチラつきが出ることがある(Geyserは翻訳機なので、両エディションで実装が違う視覚要素は完全には訳せない。)
対処のヒント
- 表示が怪しいときはまずGeyserを最新ビルドに更新(Step 1のwgetを再実行して再起動)。ほぼ毎日修正が積まれています
- それでも残る違和感は「仕様上の限界」。ゲーム進行に支障はないが、統合版勢に”完全な統合版体験”は提供できない
判断表: あなたのグループはどっち?
| メンバー構成 | 最適解 |
|---|---|
| Java勢のみ | PaperMC単体 |
| Java勢+統合版勢の混成 | Paper + Geyser(本記事) ← 全員が入れる唯一の構成 |
| 統合版勢のみ(Switch/スマホ中心) | 統合版専用サーバー(BDS) ← 統合版ルールの”本物”の世界(SwitchはDNS設定も必要) |
ちなみに逆方向(Java版クライアント→統合版サーバー)は、実用的な手段が存在しません。Geyserの逆をやるソフトは育たなかったためです。
まとめ
- Geyserで「Javaサーバーに統合版の友達を招く」は10分で実現できる
- ただしそれは「Javaルールの世界へのゲスト招待」であり、統合版勢が主役のグループにはBDSが本命
- ホワイトリストのピリオド問題は初見殺しなので、この記事の手順をブックマーク推奨